JA2BZTの自作アンテナ展示室
ここではいろいろ思いついたことを書いてみます。
内容
(1)アンテナの調整
(2)簡易型電界強度計
(3)SWRの値
(4)超簡易型電界強度計
(5)BNC117-Pコネクタ
(6)HB9CVのフェーズラインはねじらなくても良い(?)
(7)アルミ線を真っ直ぐにする方法
(8)アンテナの調整は空にむけて・・・。

(1)アンテナの調整

 アンテナの調整はいうまでも無く SWRメータを使って SWRが最小になるようにエレメントの長さや間隔を調整します。しかし、 SWRの最小点と感度の最高点がかならずしも一致しないので、電界強度計(別項参照)を使って両者が共に最良点(場合によっては妥協点)になる様に調整すると良いそうです。
 私は面倒なので SWRの確認だけで済ませています。トランシーバはハンディー機しか持っていないので、 SWRメータもハンディー機用を使っています。

(2)簡易型電界強度計

 下図のような回路で簡易型電界強度計が作れます。
 ダイオードの非直線性のため電界の強さとメータの振れは比例しませんので注意が必要です。強さの目安、または比較に使用します。メーターは普通、高感度の電流計を使用しますが、私はアナログテスターを使っています。感度の切り替えが出来るので便利です。
 点線部分は普通のビニール線で延長することが出来ますので、アンテナ部分を遠くに置き、テスターを手元に置いて使います。


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(3)SWRの値

 SWRは 1.0 が最も良い状態ですが、自作アンテナではなかなか値が下がらない事があります。1.0 より少しでも大きい値になると気持ちが悪いものですが、本当はどの位にすれば良いのでしょうか。私の SWRメータの説明書によると
  (1)1.0〜1.5: 非常に良い状態
  (2)1.5〜2.0: 良い状態
  (3)2.0〜3.0: 許容できる状態
  (4)3.0〜5.0: 許容できない状態
となっています。あまり神経質になる事も無いようです。

(4)超簡易型電界強度計

 針金と豆電球でこんな電界強度計も作れます。電界強度計というより電波が出ているかどうかの確認用です。
 簡単なものですが、電波が出ていることが実感できて、なかなか楽しいものです。
 豆電球はなるべく電流の少ないものの方が感度は良くなります。私はどこで入手したか覚えていませんが 2.5V/0.07A のものを使用しています。




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(5)BNC117-Pコネクタ

 GPアンテナなどを作るときは大変便利なコネクタです。下の写真のように三つに分解することが出来、芯線のピンが固定されているので、ここに GPのエメントを半田づけすることができます。
 ケーブルをクランプする部分が写真のように四角形になっているので、ここにラジアルを半田づけします。
 同軸ケーブルにつける時も、芯線のピンが固定されているので半田付けが楽にできます。便利なコネクタですが値段が少し高くなるようです。

 注意)類似の型名で75Ωの物があるようですので、注意が必要です。



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(6)HB9CVのフェーズラインはねじらなくても良い(?)

 HB9CV アンテナを作るときは、二つのエレメントを位相をかえてドライブするためにフェーズラインが必要です。これには色々な線材が使われますが、テレビ用の300Ωや200Ωのフィーダー(*)が特性が良さそうな気がします。位相を合わせるため途中で 180°ねじらなければなりませんが、フィーダーはけっこう硬く、なかなかうまく出来ません。ところが良く考えてみると、フェーズラインをねじる必要が無いことに気がつきました。そんな馬鹿なと思われる方も多いと思いますが、次を読んでください。
 (*:今は地デジになってアンテナ線は同軸ケーブルが使われるようになり、見かけなくなりました)

 まず、図(a)を見てください。これは普通のHB9CVの図です。青い線と赤い線がフェーズラインです。まんなかで二本の線がねじれています。次に図(b) を見てください。上のマッチングバーを左の方に伸ばし、青い線を越えると赤い線と青い線すなわちフェーズラインは平行になります。接続は変わっていませんし、フェーズラインはねじれていません。このままだと左右が非対称になり、ちょっと気持ちが悪いので、これを立体的に配置します。
 図(c) を見てください。これはエレメントを水平に置いた時の図です。マッチングバーはエレメントの下に配置し、端を青のラインの真下まで伸ばします。フェーズラインはねじることなく配置できるので工作が楽に出来ます。

 以前、私はこの方法で 50MHzと144MHzのHB9CVアンテナを作り使用していました。

[余談]
 あるアンテナの製作記事に図(c)の方法で HB9CVアンテナを作っているものがありました。フェーズラインが真ん中でねじってあります。「あれ、自分の理論が間違っているのかな」と思って実体図をよく見ると、本文には記載がありませんでしたがエレメントに接続するときもう一度ねじってありました。

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(7)アルミ線を真っ直ぐにする方法

 アンテナのエレメントにはアルミ材がよく使われます。仕上がりが美しくなるので、出来ればアルミパイプやアルミ棒を使いたいところですが、値段が高くなります。特に、ツイン・ループ・ヤギ・アンテナやツイン・デルタ・アンテナ等は多くの材料を必要としますので、材料費は気になります。
 安いアルミ線としては園芸用の物があります。太さもいろいろ揃っており、好都合です。しかし、このアルミ線は柔らかくて曲がりやすくエレメントとしてはあまり適当では有りません。しかし、下記の方法で真っ直ぐに、そして硬くすることができます。
 アルミ線を必要な長さより少し長めに切り、一方を固定してドリルでねじります。ねじる回数は表面の斜め縞が約45度位になるようにします。ねじりすぎて表面が荒れてきたら、紙やすりで滑らかにします。表面の凹凸のため環境による劣化があるのでコート材を塗った方が良いようです。表面の縞は分かりにくいので、まえもって、サインペン等で線を記入して置くと分かりやすくなります。この方法で曲がっていたアルミ線も真っ直ぐになり同時に適当な硬さになります。

注) この方法は「八木アンテナを作ろう」玉置 晴朗 CQ出版社 に記 載されていたものです。

(8)アンテナの調整は空にむけて・・・

 430MHzの4エレ・ヤギ・アンテナ程度の大きさのアンテナだと SWRの調整は6畳ぐらいの室内でも可能です。しかし、我が家が鉄骨作りのせいかアンテナの位置や向きを変えると SWRが微妙に変化し、正確な調整が出来ているか疑問に思うことがありました。
 あるとき、何気なくアンテナを天井に向けてみたところ、アンテナの位置を変えても SWRの変化がほとんど無いことに気がつきました。また、屋外で試してみても屋内の時と同様に周囲の影響は少なく、 SWRの変化はほとんど有りませんでした。
 ヤギ・アンテナの様な指向性のあるアンテナは横方向の利得が低いので周囲に与える影響が低いと同時に影響を受けることも少ないためだと思います。アンテナを横に向けた時より狭い場所で調整が出来ますし、他局に妨害を与える恐れも少なくなると思います。

 アンテナを上向きに保持するには多少の工夫が必要ですし、あまり大きなアンテナでは手がとどきにくくなって難しいかも知れませんが、8エレ程度なら可能かと思います。屋外では、物干し竿に吊るしてもうまくいきました。我が家の物干し竿はステンレス製で影響が有るかと思いましたが、アンテナの偏波面と物干し竿が直角になるようにするとほとんど問題は有りません。

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